

教育サービスの対象年齢を広げる “垂直展開” としては、2011年9月に小学校受験・幼児教育の老舗である「桐杏学園」が当グループに参入したほか、同年11月の株式会社学研ホールディングスとの業務・資本提携により幼児教室「ほっぺんくらぶ」を導入し、未就学児童からの教育体制が実現いたしました。2013年5月には、学研グループの株式会社学研塾ホールディングスとの共同出資により株式会社GIビレッジを設立し、学童・幼児保育を行う「クランテテ」を12月に営業開始いたしました。
教育を軸としながら従来の「学習塾」以外の業態に参入する “水平展開” としては、映像授業の販売事業を行う株式会社市進ウイングネットを準備期間を経て2009年3月に設立いたしました。また、2010年5月に映像制作の担い手であるジャパンライム株式会社、2011年9月に日本語学校を運営する株式会社江戸カルチャーセンター、同年11月に高齢者向け住宅サービス事業を行う「友友ビレッジ」(現 株式会社市進ケアサービス)がそれぞれ当グループに加わりました。さらに、障害のある方に働く場を提供する株式会社市進アシストを同年6月に設立いたしました。
少子高齢化がますます進む中、売上増を目指せる体制を整備するために、従来の枠にとらわれず、「総合教育サービス」企業グループへとかじを切り、事業の多角化を進めるための布石を打ってまいりました。
これら全ての事業に共通しているのは、「教える」ということです。市進が得意とする「教える」ことに軸足を置きながら、そのフィールドを幼児から高齢の方々、そして海外からの留学生などへと広げ、企業価値を高める努力をしてまいりました。「“教える” ことを通じて『人を創る』」という市進のDNAは、これらのさまざまな教育関連事業に脈々と受け継がれていると思っております。

大きなところでは、株式会社市進の地域戦略および商品の見直しとグループの人件費対策です。
株式会社市進では、集団授業から個別指導への営業形態の変更を含めた、拠点のさらなる統廃合を進める計画です。当グループの地盤である千葉・東京東部の拠点を強化する展開を考えております。市進学院では、2014年3月につくばエクスプレス沿線の八潮教室を開校し、埼玉県内ではありますが千葉本部の管轄としました。沿線の千葉県内教室と同じ地域戦略を考えております。問い合わせも多く、好調な集客が期待されます。地域密着を主眼とした都県本部制の徹底、2年目となる教務スタッフの小学生担当と中学生担当の専業制を深化させてまいります。新企画としては、2013年度に当社が従来取り組んでこなかった正月特訓を初めて実施いたしましたが、2014年夏より夏合宿・サマーキャンプなど顧客ニーズを優先した各種商品を積極的に導入してまいります。
経費面での最大の課題は、グループの人件費です。同業他社では人件費比率45%が目安とされていますが、当社では56.4%という高い数値になっております。2013年に厚生労働省が発表した新規大学卒業者の3年以内の離職率において、教育・学習支援業は48.9%とありましたが、当社では14%程度です。そのため、正社員の平均年齢は、茨進がグループに加わり38.5歳となったものの、旧市進系では約42歳となっております。具体的な施策としては、2014年6月に希望退職制度を実施いたします。45歳以上を対象とし、募集人員は40名程度です。同時に再就職支援を実施いたします。今期純利益の予想には、割増退職金などによる特別損失見込額260百万円を織り込んでおります。今後は、若い人材の活躍の場を広げてまいります。

個別指導塾「個太郎塾」を展開する株式会社個学舎につきましては、フランチャイズ展開による利益体質改善は順調に進んでいるものの、直営拠点の集客増と申込科目数増が課題となっております。個別指導分野も競争が激化しており、地域的なニーズに対応した差別化を強化してまいります。
映像授業部門におきましては、全国展開している株式会社市進ウイングネットの映像授業販売が加盟校数・受講者数とも堅調に推移しております。加盟校に対しては、学習管理システム「ジガク」や暗記学習支援ツール「解きメキ」など各加盟校が活用しやすくなるよう各種アイテムの増強・バージョンアップを図ります。映像制作・販売事業を推進しているジャパンライム株式会社は、2014年度に創業40周年を迎えることもあり各種キャンペーンを実施し、売上増を目指します。順調に販売実績をあげている学校法人や医療機関向けのDVD販売に加え、タブレットでの視聴も可能にするなど販売チャンネルの拡大に取り組みながら、動画配信を売り上げの柱とすべく営業を強化してまいります。
株式会社市進綜合研究所は、2014年度より、幼児教育・小学校受験の「桐杏学園」、業務提携による「学研ほっぺんくらぶ」とこれらの事業に関連する教材販売事業に特化し運営してまいります。茨城県取手市に新教室を開設するほか、既存教室設備の充実も含め積極的な拠点展開も検討してまいります。従来から運営していた情報出版部門・能力開発部門は廃止し、その機能のみを株式会社市進に統合、グループ全体の事業の効率化を図ります。また、株式会社友進の塾・予備校部門などの採点業務につきましても、これまでより直接的で機動的な運営を図るため、2014年度より株式会社市進に移管しております。
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