社長メッセージ
 
代表取締役社長 福住 一彦

代表取締役社長

福住 一彦

株主の皆様には、平素より格別のご支援を賜り、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2023年2月期 事業概況のご報告

当社グループは「人を創る、ともに創る」をビジョンに掲げ、学びの場、生活支援の場を通じて、豊かな人生、笑顔あふれる社会の実現をめざし、教育サービス事業と介護福祉サービス事業を主要なビジネスセグメントとしております。
 経営上の目標達成度を判断するための指標としましては、連結売上高、連結営業利益の達成度を指標としております。収益性の判断指標としましては、売上高営業利益率を重視しております。これらを前提として、中期的には新規の投資と既存事業の成長を両立させながら売上高営業利益率5%を持続することを目標としております。

 教育サービス業界を取り巻く環境は、小学生の英語教科化や大学入試改革、文科省によるGIGAスクール構想など様々な教育制度改革が進められ、大きな変革の時期を迎えております。また、介護福祉サービス業界を取り巻く環境としましては、今後も高齢者人口が増加する中、介護サービスの需要はますます高まることが見込まれる一方で、人材確保や新たな介護報酬制度への適切な対応が重要な課題となっております。

このような環境のもと、当社グループは①マーケティング、②イノベーション、③人材育成の3つをグループ全体の重点テーマとして設定しております。全事業会社の目標達成度合いの指標として、より具体的なKPIを設定し、これを職員間で共有しつつ日々の活動を推進しております。グループ全体の企業価値向上を図るためにも、引き続き、グループ会社間の連携を深めることにも注力してまいります。

<教育サービス事業>

学習塾事業をはじめとする教育サービスにおきましては、常に「考えさせる発問」を行うことで「なぜ」を共有し、学び合う「市進の共演授業」(商標登録6581124)の実践を通じて、合格に結びつく「真の学力」を醸成すること、また、ご家庭との連携・学習サポートを徹底し、授業と家庭学習との両輪指導によって「自ら学習する習慣」「自ら考え、自ら取り組む姿勢」を一人一人の生徒に身に付けてもらうことを最重要テーマとして日々の学習指導に取り組んでおります。全体運営方針としましては、小学校低学年専門教室・オンライン講座の「パンセ・フロンティエル」をはじめとする小学校低学年からの指導に注力することで、子供たちの学習機会を拡充し、学力向上を図るとともに、在籍生徒数・合格実績においても全体の底上げを実現できております。また、高校受験における都県別対策講座、地域別の定期テスト対策、学習環境の変化を踏まえた公開模試などの実施が、生徒入会に寄与し、在籍生徒数は引き続き順調に推移しております。地域的には千葉県・東京都東部地域・茨城県を中心に、神奈川県・埼玉県においても展開し、各地域でのニーズに応じた教育サービスの提供、地域ごとの合格実績の確立に取り組み、集客力をより高めております。

コンテンツ事業をはじめとする教育関連事業では、映像授業コンテンツ「ウイングネット」の全国学習塾への販売において、様々な教育制度改革が進む中、変革する教育環境に対応できる学びのトータルサポートを推進しております。東京大学、京都大学、国立大医学部など最難関大学受験に特化した対策講座「スーパーウイング」を新たに配信し、加盟校数、拠点数は伸長し、好調な業績を維持しております。

<介護福祉サービス事業>

2022年9月から紙ふうせん株式会社が当社グループに加わりました。同社は東京都世田谷区にて居宅介護支援、訪問介護支援を主な事業として介護活動に取り組んでおります。当社グループの介護福祉サービス事業は、紙ふうせん株式会社の加入により合計6社となり、デイサービス、グループホーム、小規模多機能事業などのサービスを首都圏1都3県、計35ヶ所の拠点で展開しております。また、埼玉県を中心に東京都新宿区でも介護職初任者研修、実務者研修等の介護研修事業も実施し、教育サービス事業で培ったノウハウを活かし就労希望者向けに資格取得支援とキャリアアップの機会を提供しております。この介護研修事業は、業績への貢献だけではなく、人材育成や人材確保にも寄与しております。介護福祉サービス事業においては、信頼獲得を第一義とした質の高い介護サービスを心掛けており、今後も高い稼働率、入居率を継続できるよう取り組んでまいります。

今後の見通しについて

次期の見通しにつきまして、学習塾事業においては、現在の好調な在籍生徒数をさらに増やし、合格実績を積み重ねていくことを目標としております。そのため、塾の本来価値への原点回帰、つまりは「教え込む」「鍛える」「結果を出す」という強い循環を、市進教育グループ全体の教育方針として再定義し、これを定着させることに取り組んでまいります。幼児、低学年指導については、引き続き、小学校低学年専門教室・オンライン講座の「パンセ・フロンティエル」の活用により強化してまいります。小学生から中学生、高校生へと継続して通塾していただくためにも、学習サービスのさらなる向上、英語教育においては4技能の方向性と一貫性の確保と推進、そして、思考力・表現力育成については、カリキュラム・アセスメントの研究・開発などを今後の重点テーマとして併せて取り組んでまいります。また、当社グループ内の学習塾間同士の横の連携にもより一層注力し、グループ全体でのサービス強化、向上をめざしてまいります。

 教育関連事業においては、コンテンツとサービスの一体感の醸成、成績アップや十分な合格実績によるブランドリフト戦略、VR、AR、メタバースなどを利用した動画制作や配信事業の拡張など、さらなるイノベーションを今後の課題として取り組んでまいります。また、幼児教育や英語教育においては、これを今後の成長軸と捉え、サービス向上及び顧客満足度向上、集客力強化のための研究を重ねてまいります。
また、学習塾事業、教育関連事業に共通した人材育成の面では、専門部署を新たに設置し、「多様化するサービスを支える人材」や「変化の激しい環境の中で、今までにない新たな価値を生み出す人材」をテーマに取り組んでまいります。

 介護福祉サービス事業においては、2022年9月から紙ふうせん株式会社が、2023年4月からはトップケアサイエンス有限会社が当社グループに新たに加わり、介護福祉サービス事業の会社は合計7社となりました。介護福祉サービス事業のさらなる成長に向けて、グループ内共通の介護人材の確保、人材育成システムの整備、またグループ内の人材の流動性の向上などを重要テーマに、介護サービスのノウハウや情報の共有も図ることで、グループ間の連携を深めつつ相乗効果をさらに高めてまいります。

今後の市進教育グループの発展につきましてもご支援を頂戴したく、よろしくお願い申し上げます。

2023年5月